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徳島新聞に掲載されました。(2017年1月19日付朝刊)

東洲斎写楽とは?

日本の代表的浮世絵師。明治43年に、ドイツ人ユリウス・クルトによってレンブラント、ベラスケスと並ぶ世界の三大肖像画家として紹介されてから日本でも注目され多くの浮世絵研究者らにより、その実像や作品の研究がなされています。

写楽が活躍するのは今から約200年前。寛政6年(1794年)5月から翌年1月までのわずか10か月間で140種以上の役者絵を中心に相撲絵、追善絵などを描き、当時の江戸の出版界におけるプロデューサーであった蔦屋重三郎の下で出版されました。

写楽がだれであるかについては、今まで30以上の説が出されていますが、平成9年6月、埼玉県越谷市の法光寺で斎藤十郎兵衛の「過去帳」が発見されたことから、江戸時代の有名な考証学者斎藤月岑の『増補浮世絵類考』に「写楽 天明寛政年中の人 俗称斎藤十郎兵衛 居江戸八丁堀ニ住須 阿波侯の能役者也 号東洲斎」の記述の正しさが実証されました。

このことによって江戸の浮世絵師東洲斎写楽が、阿波侯の能役者であったことがほぼ証明されたといえます。